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2012.05.07 (Mon)

イーヴォ・ポゴレリッチ ― The Legendary Romantics <1st Night - Concerto> 5月7日 19:00 サントリーホール


イーヴォ・ポゴレリッチ 2012.5.7


ショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調、第2番ヘ短調を室内楽版で。管打なしの弦楽五部のみ。

弦楽合奏の響きは繊細で優しい。ビロードのように滑らかに響き、身をゆだねたくなる穏やかな美しさがあった。第1番の第1楽章 Allegro maestoso、長い弦楽の演奏の響きを突き破るように響いたポゴレリッチのピアノ。その断固たる音に、擦弦による弦楽と、打鍵による鍵盤楽器の音色の際立った特徴の違いをあらためて感じさせられた。

弦の穏やかな湖面にピアノがキラキラと反射してみせた第2楽章 Romanze:Larghetto、泥臭くも感じられるアクセントによるリズムが、意外にのんびりと楽しかった第3楽章 Rondo:Vivace。第2番は、第2楽章 Larghettoの、とろける美しさで鍵盤を滑るように響かせた装飾が特に心に残る。


ピアノが弦楽メンバーの後ろに位置していた今夜のコンサート。そのため、ポゴレリッチのピアノを弾く手元が見えるどころか、弦楽器を演奏する団員の隙間から、かろうじてポゴレリッチのお顔がなんとか見える程度、というシチュエーション。ポゴレリッチの全体像をみるつもりで出かけた気分も少々盛り下がり・・・だったのだけれど、よぉく考えれば、ひょっとしてピアノと弦楽の音のバランスのためなのかな、どうかな???そういえば、両者の釣り合いは文句なしに絶妙な按配。


開演ぎりぎりに着席した自分が、お隣りの方に聞いた開演前のエピソード。18時半の開場後に客席に入れば、ステージの上にはグランドピアノを鳴らしている人の姿が。ピアノの調整?とよく見れば、私服姿のポゴレリッチだったとのこと。あら、なんてうらやましい。


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2012.05.05 (Sat)

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2012」で


ラ・フォル・ジュルネ 2012.5.4


「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2012」。
有楽町の会場東京国際フォーラムに着けば、ちょうど野外コンサートが始まったところ。よい具合に雨もあがってきたので、屋台村を物色したランチを外で頂きながら耳を傾ける。


ラ・フォル・ジュルネ 2012で


フォーラムチケットセンターのぴあで買い物したら、「ラ・フォル・ジュルネ」の記念品を思いがけずもらえた。びっくり。ポーチにドロップス。マトリョーシカの柄がとっても可愛くって、一目で気に入る。ものすごく嬉しい。


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2012.03.02 (Fri)

ゲルギエフ指揮 復興音楽祭 ~東日本大震災復興支援~ 東京交響楽団 2月29日 19:00 オーチャードホール その2


復興音楽祭 2012.2.29 


ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。ホルンが、木管が、なんて美しいのだろう。弦楽器群がなんて優しいのだろう。時折とけこむハープの音が耳をそっと撫でる。繰り返されて、より清澄さを増したテーマに心が凪ぐ。

プロコフィエフの交響曲第1番「古典交響曲」。歯切れよく隙のない演奏。均整のとれたハーモニー。中庸の響きの中の強弱のコントロールが美しい。揺るぎない指揮が音楽を迷いなくどんどん前へと進ませる。心地よい抑制の中に、伸びやかな明るさと若さを感じた。第4楽章はかなり速いテンポで生き生きと細かなリズムが刻まれる。いや、どの楽章も皆生き生きと輝いていた。

シューベルトの交響曲第8番「未完成」。第1楽章のチェロの第2主題がこの上なく美しい。見事な転調を堪能した後、再び穏やかな安寧が訪れる。

この夜終始一貫した、心を慰撫する響きが華やぎをみせたのが、アンコールのチャイコフスキー「花のワルツ」。ハープの入りが宝石のようにきらきらと輝く。終盤のさすがの盛り上げ方には、心をつかまれた。


NHK NEWS WEB:大震災から1年を前に復興音楽祭 (映像あり)


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2012.03.01 (Thu)

ゲルギエフ指揮 復興音楽祭 ~東日本大震災復興支援~ 東京交響楽団 2月29日 19:00 オーチャードホール


Bunkamura 入り口 2012.2.29


午前中まであれだけ降り続けていた雪も、夜にはほとんど姿を消していた渋谷。Bunkamuraの入り口前の土に、ほんのわずかだけ残っていた。

ゲルギエフ指揮の「復興音楽祭」。

コントロールされつくした穏やかな響きには、波立つ心をも平らかに鎮める力があった。


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2011.11.29 (Tue)

サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  11月22日 19:00 サントリーホール その3

舞曲の緩急の変化をみせる第2楽章では、玩具箱をひっくり返したように混沌とし、さらには少々破壊的でさえあった"急"の部分や、木管楽器に軽く渡り歩く旋律がピッコロで遊ぶように締められる終結部が心に残る。

よい意味で鈍重とさえ思えた第3楽章では、それぞれのパートがまるで戦いの火花を散らしているよう。一気になだれ込む最後のクライマックスでは、オーケストラの音が勢いよく切られる。中でも、ティンパニー奏者の音を止める動作の勢いのよさが目に飛び込んできた。すごい。けれど、ほんとにすごいのはここからだった。

先程の終結の勢いのエネルギーが寸分おかずに、今度はヴァイオリンの回音の極端にまでたっぷりとした響きに転換される。続く弦楽五部の分厚さといったら!弦のうねりの緊張が極限にまで続く様子には凄みさえ感じる。第1楽章序奏に通ずるというシンコペーションのリズムに続く下降形も凄まじいほどの迫力。

そしてかすかに死に絶え行く最後。擦過音を微かに響かせたヴィオラの弓が弦の上をそっと離れる。奏者たちは音の消え果てた瞬間を永遠に閉じ込めでもするように、弓を構えたままの姿勢を静かに崩さない。静寂を乱さぬよう、先程まで指揮をしていたラトルの腕が時間をかけてゆっくりゆっくりと下ろされる。現実に立ち戻るように、第一ヴァイオリンがヴィオラよりも先に楽器を下ろす。そしてヴィオラも。さざ波のように静かに広がる拍手・・・ちょうどヴィオラを真向かいに見下ろす席だったため、自然と目に飛び込んできたこの一連の動きがこのうえなく美しく印象に刻まれた。


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2011.11.27 (Sun)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮 パリ管弦楽団 11月26日 18:00 サントリーホール


パーヴォ・ヤルヴィ パリ管弦楽団 2011.11.26


一分の隙もない潔いキレのよさがカッコよかったパーヴォ・ヤルヴィ指揮のパリ管の演奏。

「幻想交響曲」でもうおなか一杯と思っていたら、アンコール3曲も演奏してくれた。ビゼー「アルルの女」ファランドールのストレッタな狂乱に熱くなり、シベリウスの「悲しきワルツ」の悲しいのにこの何ともいえぬ粋なワルツのリズムのお洒落さは一体何?と心をつかまれ、ビゼー小組曲「子供の遊び」のギャロップの2拍子のプレストな軽快さにウキウキウキと楽しくなり、たくさん手を叩けば、最後にこれでおしまいとばかりにお茶目にチャオな感じに手で合図して袖に入っていったパーヴォ・ヤルヴィ。鳴り続く拍手に再び下手に登場したパーヴォは、もう誰もいなくなっていた舞台に再び団員達を呼び寄せ、にこやかに楽しそうな団員達と一緒に拍手を受けるというカジュアルな感じがとても素敵だった。

すぐに帰るつもりだったのに、思わず終演後のサイン会に並んでしまった。


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2011.11.24 (Thu)

サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  11月22日 19:00 サントリーホール その2

ベルリン・フィルを聴くのは2008年の来日時に続き2度目。しかも今回は大好きなマーラーの9番なので、ほんとにほんとに楽しみにしていた。

短い序奏に続くヴァイオリンの動機。わずか2度の音程に大きな幅を持たせ、甘やかに下降してみせる音色にまずは捕らわれてしまった。続く弦のゆったり響く音の波に、まるで柔らかな天使の羽に包まれてでもいるような感触を受ける。

この穏やかさの中にたゆたう音が同じ楽章の中で、次には荒々しく豹変した顔をみせる。放出されるエネルギーはきわめて野卑で破壊的。表現のこの落差をしっかりと支えるのは、オーケストラ奏者の各人の力量の高さであることが目の前の舞台からひしひしと伝わってくる。

例えばフルートの、第1楽章コーダの前、ポリフォニー的な場面に高く澄み渡り、空間を漂い遊ぶ美しさ。そこにふくらんだ音色を響かせるホルンのふくよかさ。一つ一つあげていけばきりがない。樫本大進さんのヴァイオリンと木管が呼応する穏やかな終結も忘れ難い。そしてピッコロの最後の一音、チェロの微かなフラジオレット。なんて素晴らしかったのだろう。(続く)


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2011.11.22 (Tue)

サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  11月22日 19:00 サントリーホール


ベルリン・フィル 2011.11.2


なんという大きな音のうねりだったこと!

響き渡る金管、澄み渡る木管、潔く打ち鳴らされる打楽器。そして幾重にも重なる分厚い弦、それぞれの楽器がお互いに戦いを挑むように主張をぶつけ合い、マーラーの九番の深い深い森の中を踏み分け踏み分け進んで行った、そんな思いのした今宵のコンサート。


チケットは売り切れだったにもかかわらず、ちらほら見えた空席が勿体ない! 今日の終演後には、樫本大進さんのサイン会が行われていた模様。


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2011.11.04 (Fri)

内田光子 ピアノ・リサイタル 11月4日 19:00 サントリーホール

内田光子さんのステージマナーって素晴らしくて、客席のあちらこちらに向けてくれる笑顔からは、心から溢れる温かい気持ちがじんわり伝わってくるような思いがする。

けれど、一旦ピアノに向かった内田さんから生み出される音は、とても厳しくて、今晩のシューベルトのソナタ(イ長調 D159)なんて、終盤に近づくにつれて、一つ一つ強い意思を持った音の固まりに襲われるような錯覚に陥るくらい、ちょっと怖い思いをした。想定外の音の波状攻撃。

アンコールのモーツァルトのピアノ・ソナタ(第10番 ハ長調 K330)の第2楽章の清澄な響きに救われる。浄化された感じ。シューベルトのよりは確実に小節ごとの音が少ないので、こちらも想定外ながら、まだ自分の心のなんとか許容範囲内。美しいという次元を超越し、底知れぬ深淵に一条の光が差し込むのを見た思い。


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2011.10.18 (Tue)

エッシェンバッハ指揮 ウィーン・フィルハーモニー 東日本大震災復興支援チャリティコンサート 10月18日 12:00 サントリーホール


ウィーン・フィルハーモニー 東日本大震災復興支援チャリティコンサート
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
東日本大震災復興支援チャリティコンサート
―私たちの思いは日本と共に~WPH FOR JAPAN


ウィーン・フィル、初めて実際に聴いたその響きは驚くべきものだった。

なんと表現したらよいのだろう。数十人のそれぞれ個を持つ奏者の集まりであるのにもかかわらず、その多数の個性が一つの人格に集約され、悠然と泰然と舞台の上で呼吸を続けているようだ。オーケストラという生き物!それがなんだかとても不思議で、オペラグラスで団員の表情を覗いてみれば、それぞれ落ち着き払った表情で、音楽に対して真摯に向き合っているのが感じ取れる。たまたま目で捕らえたのが、第一ヴァイオリンの長く大きく弾かれた弓が、隣の弦に乗るために静かに角度を変え移動する瞬間。弓の重みの密やかな移動がなんて美しいのだろう、とハッとさせられた。

モーツァルトでは、エッシェンバッハのピアノが消え入るかと思えば、また息を吹き返すように秘めやかに響く。短調の中に一瞬の光が輝く。現実と非現実の境界を行き来するような響きは、中間部ではまるで花園に遊ぶような澄んだ明るさを聴かせる。演奏後は、舞台上の奏者、そして客席の人々が皆起立し、東日本大震災の犠牲者の方への思いを込めて黙祷を捧げる。

マーラーの「少年の魔法の角笛」からは、予定されていたプログラムが、「原光」を含む3曲に変更されていた。「原光」、明確な意志を持つ抑制された響き、上質のビロードのような響き。それらが信じられないくらいに美しい。神の存在が確かであると信じさせられる響きだった。上空に白い光の輪が美しく輝くのが見え、そこに吸い込まれて行くような錯覚を覚える瞬間、恍惚のひと時に包まれる。

シューベルトの「未完成」においてはもう言葉はありません。衝撃的なウィーン・フィル初体験。



モーツァルト:ピアノ協奏曲 イ長調 K488から第2楽章
   ピアノ:クリストフ・エッシェンバッハ

マーラー:「少年の魔法の角笛」から
  ラインの伝説
  麗しきトランペットが鳴り響くのは
  原光
   バリトン:マティアス・ゲルネ

シューベルト:交響曲第7番 ロ短調 D759 「未完成」



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