熊川哲也 新作 ベートーヴェン 「第九」 初日
3月14日、熊川さんの新作「ベートーヴェン 交響曲第九番」初日。
第1楽章から第4楽章まで休憩無しに約65分の上演時間。
熊川さん、第4楽章で、シェネで高速で回る独楽のように舞台中央奥より飛び出してきました。サイドに座っていた私は、それが初めは見えず、観客の大きな拍手で気がつきました。いっぺんに目が惹きつけられます。ライトももちろん当たっているんだろうけれども、熊川さんの立ち位置からは、会場いっぱいの観客の視線を集める特別な光が放たれているようで、舞台の緊張感が一気に増しました。白のシャツに黒のタイツは、それまでの、第1楽章の赤、第2楽章の青、第3楽章のベージュと緑からは、異質な色彩感を放ち、モノトーンなのに目立っています。短い登場時間の中、怪我をする前以上のものとも感じられるハイスピードでの回転に跳躍で舞台の上を疾風の如く駆け巡り、かと思うと、静止した状態で、両手を高く掲げた姿からも、強く訴えるものが見る者の胸に響いてきます。
第1楽章では、男性群舞が、マグマの炎が仄暗く光り、とてつもない熱さをもって渦巻く様子を表現する中、清水さんが、マグマの芯をぶれない力強さをもって表現し、アピールします。対する第2楽章では、色彩も炎の赤から涼やかな水の青に転換し、荒井さん、松岡さん、東野さんを始めとする女性陣が、母なる海の持つ柔らかい広がり、温かさを繊細に表現し、美しさをみせてくれました。第3楽章では、土を感じさせるベージュに、植物の緑の色彩で、ここで初めて男女が一緒に、生命の芽吹く様子を表現し、光輝く第4楽章に突入します。
熊川さんが、ベートーヴェンの音楽を的確に捉え表現していく様子は素晴らしく、群舞の隅々まで、計算しつくされて作り込まれているのがよく伝わります。そして、それぞれの楽章にふさわしいテーマの踊りを繰り広げていく展開はとても美しい。幕切れでも、爆発的な音楽の高鳴りにあわせ、否が応でもこちらの気分を高揚させる高速回転技をみせ、オーケストラの最後のDの音にピタリとあわせて止まり照明を落とし夜空の満天の星をみせるという演出も決まっています。只、それが裏返せば、次の動きがどうなるか想像がついてしまう予定調和的なものを産み出してしまい、こちらの想像を覆すようなものが目に飛び込んできたり、沸き溢れかえる喜び感を与えてくれるまでには至らなかったのが残念でした。
たぶん、もう一度観にいけば印象も変わると思うのですが、S席20,000円、A席18,000円の設定だけでは、行けませ〜ん。65分の上演だから、分単価は相当なものになりますね。プログラムは、今回はなぜか、いつもの仕様に、金色に輝くハードカバーがついている。値段はいつもと同じ3,000円。(ハードカバーいらないから、その分、チケット代下げて・・・) 舞台装置も、転換のないシンプルなものです。(今までの公演ほどはお金かかっているものではないと思われる。) あのチケット代の根拠はいずくにありや・・・・????? 「白鳥の湖」のチケット販売も行われていました。第1〜3楽章のターバンに総タイツ姿は、欽ちゃんの仮装大会を思い出しちまったよ。
特別番組放送決定
「熊川哲也 復帰への300日」 (仮題)
TBS(関東ローカル)にて 3月29日(土)15:00〜16:24
MBCにて 4月 5日(土)15:30〜16:54
【第1楽章】
大地の叫び
清水健太
ビャンバ・バットボルト / アレクサンドル・ブーベル
荒井英之 / 石黒善太
【第2楽章】
海からの創生
荒井祐子 / 松岡梨絵 / 東野泰子
神戸里奈 / 小林絹恵
副 智美 / 渡部萌子
【第3楽章】
生命の誕生
浅川紫織 / 宮尾俊太郎
長田佳代 / 遅沢佑介
樋口ゆり / 杜海
【第4楽章】
母なる星
熊川哲也
荒井祐子 / 清水健太
東野泰子 / 輪島拓也
宮尾俊太郎 / 遅沢佑介
仙頭由貴 / 内富陽子
沖山朋子 / 木島彩矢花
ビャンバ・バットボルト / 杜海
ピョートル・コプカ / 石黒善太
ソプラノ 野田ヒロ子
メゾ・ソプラノ 森山京子
テノール 中鉢聡
バス 久保田真澄
演奏 シアターオーケストラトーキョー
合唱 藤原歌劇団合唱部
ご紹介いただき恐縮です。リンクも共にありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
私も念願叶って3/19の昼の部を観て来ました。
あのチケット代は、普段の生オケ プラス 合唱団&ソリストの方達が加わってのことだと思いますよ。
・・観終わった感想は、それでもちょっとお高いかなあとは思いましたがオペラのチケットを思えば妥当なのかな、とも。
舞台や衣装ががかなりシンプルな分、合唱が加わった第4楽章は本当に感動的でした。あの合唱の方達とダンサーの方達の関係というか絡み合いには、「すごい発想」と感激するばかりでした・・・
むしろ熊川さんが出演されない方が、作品としての面白さや素晴らしさが際立ったかもしれないなあとも思いました(笑:でもご本人はこれが踊りたくて作られたのですよね)。
このカンパニーの公演は初めてで(というよりここ10年程バレエの公演に行っていませんでた・・)熊川さんも初めてナマで拝見させて頂きましたが本当にすごい人なのですね。でも今回の舞台のようにダンサーとしてだけではなく、作り手としての才能をこの先もっともっと観てみたい気もしました。
女性達の、音楽にのった素晴らしい動きにこちらまで体がウズウズしました(笑)。
宮尾さんと遅沢さんという男性ダンサーの踊りにも心奪われました(隣の席の方に教えて頂きました(笑))
残念ながら今日のオケではそこまで伝わってはきませんでしたが、『第九』ってホントは今の時代に聴
いてもびっくりするくらいポップな音楽なんですよね〜。
長々とすみません。
私も今すぐに何回もは無理ですが、再演・再再演と回を重ねて観てみたいなと思った作品でした。
・・今回のチケット代よりも、次の『白鳥の湖』で熊川さん御出演の回だけプラス¥3000という方が私には「おお?!」でした(笑)・・・
確かに、プラス¥3000・・・「おお?!」ですね。
他の国々の人々と比較すると、どちらかといえば控えめといわれる日本人の中で、”オレサマ”の熊川さんは、その分批判も受けがちではあろうけれども、舞台で他の誰も放つことの出来ない光や輝きを発することができるんだろうな、と感じます。
宮尾さん、遅沢さんも、ダイナミックでしたね。
熊川さんの「第九」、これからも改訂を加えながら、大事なレパートリーに育っていくと良いですね〜。
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拙ブログでこちらの記事をご紹介させて頂きました。リンクもさせていただきましたので、併せてご報告です。もし不都合がございましたら、お知らせ下さいね。