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2012.11.23 (Fri)

「アンナ・カレーニナ」 ヴィシニョーワ & ズヴェレフ & バイムラードフ マリインスキー・バレエ 11月22日 19:00 東京文化会館

アンナという、一人の女性が危うい道に足を踏み入れてしまう心の内面の揺れ動きを、実に巧みに表現したヴィシニョーワ。

夫がありながら、ヴロンスキーの求愛に次第に溺れていくアンナ。子供を心から愛する母性豊かなアンナ。どちらも同じ一人のアンナであるのに、同時に両方でいることは決して許されない。世の規範から外れ、外れたことは熱い陶酔をもたらす。けれども、それも一時。結局はその熱さが自分の身を焼き尽くしてしまう。滅ぼしてしまう。

破滅が見えていながら、目の前にはそこに辿り着く道しか示されていない。そのアンナの道を歩むヴィシニョーワが女の業の深さを官能的に 女の性(さが)を剥き出しにしてみせる。

何せヴィシニョーワ様の、アンナという女性の炎(ほむら)を燃え上がらせる艶やかな目元、麗しい唇、そして最期の時の真っ赤なドレスから露わにされた(こればかりはアンナらしくない筋肉の隆とした)上腕に目は釘づけ。

正味90分ほどの上演時間の間に、アンナの心の禁断の揺れの再現を体験した思いがする。激しい求愛者ヴロンスキーとお互いに求め合うこととなる(しかしもろくも崩れ去る)関係、そして夫のカレンスキーとのもどかしいやり取りが、ヴィシニョーワの身体(含む唇)を、表情を通してリアルに生々しく伝わってきた。キティやヴロンスキーらの踊りももちろん美しいのだけれども、何と言ってもインパクトの強いのはヴィシニョーワの表情の移り変わり。とにかく艶やか。


汽車の車両を回転させて客車の中の様子をみせるのは、変化がついて面白かった。進む汽車に降らせる雪や、アンナの夫の書斎の映像などが舞台の情景を表すのにしっくりと馴染んでいた・・・けれど、自分はほんとは映像を使わない舞台の方が好き。


アンナの子役がむちゃ可愛い。やっぱり白人のお顔立ちのお子様のほうが物語にはしっくりくるものね。外国より戻ってきた母親とひしと抱き合い、しかし父の手で、愛する母と引き裂かれる状況が可愛そう。生涯のトラウマとなりそう。しかも、その後母親は鉄道自殺!

アンナも深く傷つき絶望したがために汽車に身を投げ出したわけだが、その周囲の人々が様々な傷から癒えるのにも時間がかかりそうだなぁ。やっぱ一度原作を読んでみなきゃなりませんな。


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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