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2012.06.26 (Tue)

「マノン」 新国立劇場 6月23日 16:00 その3

第2幕ではGMと共に娼館に現れた、ゴールドの豪奢極まりない衣装の小野マノン。舞台を進む小野さんの、ハッとさせられるほど大きな動きには、男たちの目を惹きつける華が光る。濃い化粧がよく映える顔立ちの小野さんの瞳は欧米人のような輝きをみせ、そこには刹那を楽しむ短慮な女が鮮やかに覗く。マノンの魔性を象徴するかのように男たちの間を漂うリフトでは、彼らに差し上げられた高い位置から地に向け、肩を回し思い切り潜り込む姿勢の美しかったこと。どこまでも妖しく、媚薬に酔うような一場面。

一瞬の衝動に突き動かされ、GMから再びデ・グリューに心を動かすマノンは、逃げ戻ったデ・グリューの寝室で、手首を飾るGMからのブレスレットを取り払おうとする彼に相対し、激しい踊りをみせる。とうとう取り払われてしまったブレスレット。そして、デ・グリューとひしと抱き合う小野マノンの激情は、遂には兄レスコーがGMに撃ち殺されるという悲劇を招いてしまった。

第3幕のニューオリンズの地、この幕もとにかく小野さんにつきる。髪を短く刈られた女囚マノンの目の力は弱々しい。それでも最後に咲く徒花のように、看守の目を捕らえて離さない彼女は、最後の破滅へと進んでいく。沼地で力を失ったマノンは、デ・グリューの目前、最期の時に魂を飛翔させて息絶える。瀕死で息も絶え絶えなのに、リフトで空中高く鋭く回るなんて実際にはありえないことだけれども、生き絶えていくマノンの激しい思いが小野さんの内側から溢れてきていた。


山本隆之さんの看守。表情には冷たい色気が潜み、マノンと関わったほんの短い時が冷酷に光っていた。物乞いを率いる八幡顕光さんはさすがの動き。そういえば、思い出したのはロバート・テューズリーのデ・グリュー。テューズリーは決して好みのダンサーというわけではないのだけれども、、彼のデ・グリューの艶やかさが心に甦れば、小野さんがテューズリーと踊ればどんなマノンになるだろう、などとつい考えてしまった。あの高難度リフトでさらに鋭く空を切るマノンを思い浮かべてみる。それにしても小野さんの、高くリフトされた位置でしっかり保持されたポーズは、足の先まで本当に美しかったな。


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

EDIT  |  23:55 |  バレエ公演  | CM(2) | Top↑

マノンはもともと2回見に行く予定で、今日(7/1)は小野絢子さんのマノン見てきました!

小野さんのマノンはキラキラ輝く感じで素敵でした。福岡さんも後半に向けて感情がこもってきて良かったです。

レスコーと「兄妹」な感じ
酒場でのリフトの連続
デグリューの真面目な感じ
はゲストより良かったかもしれません。
団員のみで作り上げる舞台の良さなのでしょうね。

小野さんと山本さんは今回初めて見ました。山本さんは看守でもどこかノーブルな感じがしました。正統派の役でも見てみたいですね。
mei |  2012年07月02日(月) 01:00 | URL 【コメント編集】

meiさんは「マノン」のチケット、
2回分お持ちだたのですね。
それぞれのキャストでの「マノン」を堪能なさったでしょうか。
同じ役でも、踊り手が変わると印象も変わり、
伝わってくるものも変化をみせるのが鑑賞の一つの楽しみですね。
山本さんの看守の姿がとても印象に残ったので、
本島美和さんと組んだデ・グリューの日にも
ほんとはみに行きたかったです!
miya |  2012年07月05日(木) 09:15 | URL 【コメント編集】

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