FC2ブログ
2012.06.13 (Wed)

「ローエングリン」 新国立劇場 6月10日 14:00 その2

第1幕、すごい。第2幕もすごかった。第3幕も、ひゃっ、すごすぎ。幕が進むにつれ、すごさも比較級、最上級と順繰りに格上げ。まずは第一幕のクライマックス。とにかくすごい。テルラムントを決闘で倒すローエングリン。喜びにうちふるえる者と、栄光を奪われ打ちひしがれる者たちの五重唱に合唱が重なり最高潮に。花火がダメ押しするかのように打ち上げられる映像まで背景に映し出される。エルザと喜びを迸らせて舞台を駆け回るローエングリンは、二人して勢いよく下手袖へと駆け込んでいく。幕・・・・・これが盛り上がらいでか。

歌手がみんな素晴らしかった。国王(ギュンター・グロイスベック)は、低い響きに力を漲らせ、統治者らしく精力的。対してテルラムント(ゲルト・グロホフスキー)の国王より一段と高い音域の響きに、伸びやかな説得力を感じる。オルトルート(スサネ・レースマーク)。ヴォリュームたっぷりの衣裳に、ターバンを巻き高く結い上げた髪の出で立ちで、存在感抜群。人を見下げるように顎を上げ仁王立ちする姿は圧巻。

そして、なんてったってエルザ(リカルダ・メルベート)。こりゃぁすごかった。最初の登場は上手奥より、夢見るような瞳の焦点を遠くにあわせ、ゆっくりゆっくりと歩んでくる。エルザのこの瞳に、これからどのように疑いが満ちていくのだろう、ともう既にここで期待させられてしまう。彼女の周りにだけは、まるで違う時間が流れているかのように動きは緩慢。両の手は衣装の広がりに沿って優しく広がり、この形もまた、エルザの浮世離れした趣をさらに増している。微笑みを浮かべた口元は、自分の信じているものをまるで疑いもしない。テルラムントを倒したローエングリンへのエルザの喜びには、清らかさが輝いていた。

そしてそして真打ち、クラウス・フロリアン・フォークト!混じり気のない清浄で伸びやかな高い声は、白鳥の騎士そのもの。美しい者が持つ真っ直ぐな鋭い響きは、そうでない者を許さない厳しさをも含んでいる。合唱の分厚い響き、その大音声を突き抜けて鋭く響いてくるフォークトのローエングリンの見事さには、まったく熱が上がりそう。(続く)


関連記事

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

EDIT  |  23:58 |  オペラ  | TB(0)  | CM(4) | Top↑

miyaさん、こんばんは。
素晴らしい公演でしたね、特にフォークト!!「ローエングリン」は当分見なくていいかも、数年、と思いました。
shushu |  2012年06月16日(土) 20:20 | URL 【コメント編集】

shushuさん、
クラウス・フロリアン・フォークト!
素晴らしかったですね~。
shushuさんは、複数回ご覧になられたとのこと。
うらやましいです~。
miya |  2012年06月19日(火) 23:52 | URL 【コメント編集】

クラウス・フロリアン・フォークトさんがとてもよかったとききいかれなかったことが残念でした。2011年に期待していた歌手が福島事故のためキャンセルしたためにチケットを購入するのが躊躇したので見送りましたが彼は来日して歌ったのですね。また聴く機会があると思いますのでそれまでの楽しみとしましょう。
サトウ |  2012年11月05日(月) 18:19 | URL 【コメント編集】

サトウさん、こんばんは。
クラウス・フロリアン・フォークトは、東京春祭2013年4月の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」で来日するようですね。またきっと、素晴らしい歌声を聴かせてくれることでしょう。チケットの発売日もせまってきているようなので、是非チェックなさってみてくださいね。
miya |  2012年11月06日(火) 00:45 | URL 【コメント編集】

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除に必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック


 | HOME | 

最近の記事

カテゴリー

カレンダー

FC2カウンター