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2012.06.07 (Thu)

「白鳥の湖」 シュツットガルト・バレエ団 6月5日 18:30 東京文化会館 その3

アリシアの黒鳥は、王子を手玉に取るのを楽しんでいるようにみえる。陽気に気儘に王子を翻弄。自らがそのシチュエーションを楽しむことによって、王子を策にはめていく。はまるあんたのほうが悪いのよ、と捨て台詞でも吐きそうな、快活、愉快で享楽的なオディール。王子を誘惑する刹那に愉悦を見出す。けれど、そんなことを続けていて、あなたは一体いつか自分の本当の幸せをつかむことはできるの、誰もみていないところでは実は暗い顔をみせていそう・・・そんなことまでこちらに思わせるアリシアの黒鳥。


ゲネプロで既にみているから、終幕の結末はわかっている。そこへ至るまでのオデットと王子。すぐ目の前に愛する相手がいるのに、二人の間には大きな障壁が横たわっている。嵐の予兆の風の音が響く中、抱擁を繰り返しては、次第に力を失っていく二人。その情景は、運命に翻弄される男女の悲しみの涙に満ちていた。

王子は、ロットバルトの起こした洪水の波にのまれ、もがき苦しむ。オデットの悪魔への懇願も虚しく、ついに命尽き倒れる王子の向こうには、去っていく白鳥の群れ。ざ、残酷な情景!第2幕で湖水を下手から上手へと泳ぎ進んできた白鳥は、終幕幕切れでは上手から下手へと、ただ単に逆方向に進んでいくだけなのに、なんと大きな哀しみの余韻を残すこと!王子の遺体、置き去り!


プログラムの粗筋によると、この後クランコ版オデットは、変わることのない真実の愛を誓う王子を、再び待ち続けるらしい。ひゃっ、一瞬背筋が冷やっこくなる。オデット、何だかまた同じことを繰り返しそうな予感。ひょっとして実は彼女は、男を虜にして、魔の世界に取り込む○○となってしまっていたの???なぁんてさらに想像を膨らませちゃったりもできる、クランコ版「白鳥の湖」に、アリシア・アマトリアンの白鳥に黒鳥。(たぶん続く)


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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