FC2ブログ
2012.04.09 (Mon)

「オテロ」 新国立劇場 4月7日 14:00 その2

「オテロ」第一幕、第一音にまずはやられてしまった。一瞬ためられた第一音が、ためた勢いを爆発させるかのように、一気に駆け上がっていく。不穏かつかっこいい。轟く雷鳴、動く黒雲、つんざく金管。偶然なのかそうでないのか、指揮のジャン・レイサム=ケーニックが(たぶん合唱への指示出しのために)、左手を大きく振り上げたその瞬間に、魔法のように稲妻までが空を切り裂く。すごいっ。歯切れのよい合唱、めりはりのきいた演奏に心を奪われる。

冒頭の嵐のシーンのど迫力から、終幕、息絶えた愛妻デズデーモナに寄り添って倒れ果てたオテロの姿に、静かにたっぷりと響かせる幕切れまで、物語をぐいぐい前へと引っ張っていくオーケストラの演奏には、これぞイタリアオペラという高揚感を味わえた。

オテロのヴァルテル・フラッカーロは、客席下手通路から舞台に凱旋。精悍な顔つきに堂々とした体躯から生み出される声は伸びやかで艶やか。広がりを感じさせる美しい声はオテロの世界を実態化させ、そしてオテロの悲劇を語りかけてくるリアルさを生み出していた。

そしてオテロとデズデーモナの愛の二重唱の甘さといったら!オテロの武勇伝に、勇ましく戦うオテロの姿が目浮かび、デズデーモナに慰められたと歌うオテロにうっとりとし、彼女の憐れみの心を愛したオテロには泣けた。口づけのテーマはどこまでもどこまでも甘く、艶めく声に乗る愛が、二人の心を穏やかに満たしていく。実に美しい愛の歌だった。
(続く)


関連記事

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

EDIT  |  23:55 |  オペラ  | TB(0)  | CM(0) | Top↑

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除に必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック


 | HOME | 

最近の記事

カテゴリー

カレンダー

FC2カウンター