FC2ブログ
2012.03.21 (Wed)

「沈 黙」 新国立劇場 2月19日 14:00

松村禎三氏台本・音楽のこのオペラも全く初めてならば、遠藤周作さんの原作も、公演の2,3日前に初めて読んだばかり。

素晴らしかったなぁ。「沈黙」の世界を語りかける音楽が素晴らしかった。この管弦楽に人間の声で対抗するのは、並大抵のことではないのでは、と思わせられたくらい。音の表現の持つ力がすごかった。音楽の動きが物語を雄弁に語る姿に圧倒されてしまった。不協な響きが続くかと思えば、極めて聴きやすい旋律もあり、とても惹きつけられた。

1拍を不規則に多分割した不安定なリズムの変わり目を、聴いている者に意識させることなく歌うためには、歌唱力に加え、強い演技力も必要とされるのだろうな、子音に母音が結合されている日本語の歌詞の滑らかな発声も、なかなか難しいものだなぁなんて思いも、最後に、白い光に包まれるロドリーゴを見ていたら、そんなことはどうでもよくなってきたくらい、音楽の力の素晴らしさを感じた。

打楽器の音がとても面白かったので、一体どんな配置なのだろうとオーケストラピットを覗けば、ティンパニーの姿しか見えなかった。オケピが狭いからだったのだな(オペラ「沈黙」のオーケストラにつきまして)。

踏み絵に足をかけてしまったロドリーゴが、その踏み絵を拾い上げて胸に抱く。ロドリーゴを照らす一筋の白く明るい光。神は何故、人々の苦しみに沈黙を続けるのか、その答えを自分の中にみつけたに違いないロドリーゴ。音楽の動きが物語を雄弁に語る姿には圧倒されてしまった。苦しみの極限下、自分と対話し続けたロドリーゴが、そこにみつけたものは???ってね。


「沈黙」を読んで、そしてみて以来ひと月このかた、なんとなく何かが心の片隅に引っかかっていて。うまくは記せないけれども、“受け入れなくてはならない”ってことなのかなぁ。この世から嫌なこと、苦しいことがなくなるなんてことはまずないのだな、残念なことに、きっと。それらとどう向き合っていくのか、自分の中でどう消化していくのか、なぁんて、生き方を問われてもいます?ひょっとして・・・


その他、心に残ったところ。モキチが水磔になる場面、オハルのソプラノの、マリヤ様はおらるるのか、の心の叫びに泣けた。そしてそこに伝わるモキチのハライソに行こうと歌う穏やかな声。素晴らしい場面だった。

卑屈な転び者キチジロー、動きがとてもよくって、面白くって。でも、このキチジローはお肉食べてるよね、きっと。


関連記事

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

EDIT  |  23:54 |  オペラ  | TB(0)  | CM(0) | Top↑

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除に必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック


 | HOME | 

最近の記事

カテゴリー

カレンダー

FC2カウンター