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2012.02.28 (Tue)

<アリーナ・コジョカル ドリームプロジェクト> Bプロ 2月23日 18:30 ゆうぽうとホール その4

「ザ・レッスン」
振付・デザイン:フレミング・フリント 音楽:ジョルジュ・ドルリュー

教師:ヨハン・コボー
生徒:アリーナ・コジョカル
ピアニスト:ローレン・カスバートソン

これはむっちゃくちゃ面白かった。バレエで心理サスペンスをドラマティックに。教師のコボーが変貌していく表情が怖くって怖くて。狂人に魅入られた可憐でひ弱な獲物の生徒コジョカルが、次第に暴力的に追い詰められていく。

そして、脇役だと完全に思い込んでいたピアノ教師が、実はキーパーソンだったとは!!ロボットのように無機質な動きを繰り出すピアノ教師。ローレン・カスバートソンが冷徹に表現するピアノ教師こそ、彼の悪癖を知り尽くし、過去におそらく何度も重ねられた犯行を今度こそは、と未然にくいとめようとしていたのだ(その行為も様式化しているんだろうと推測はできるけれど・・・)。

ポワントを履いて初めは喜んで踊っているうちに、次第に足先が痛んできた少女。それでも、彼女に踊り続けることを強要する教師。彼の目の光が次第に常人のものでなくなってくる(コボー、怖いっ)。か弱い獲物を前にして上着を脱ぎ、タイを取り去り、腕をまくり上げる(ひぇ~っ危険)。

少女の鞄を蹴り倒した教師の表情は、もう完全にどこかにいっちゃってる。無理やりくるくると回らされた少女は、疲れ果ててピアノの影に崩れ落ちて身を隠しても、もはや教師から逃れることはできない。空中高くで舞わされ、ふらふらな少女は、バーの前で教師に手をかけられ、呆気なく果ててしまう。(レッスン場を快活に訪れ、ついさっきまで無邪気に踊っていた少女が、電池が切れたように一気に動かなくなってしまったのも怖い~)

ふと我に返ったコボー、衿、袖口を直す仕種にリアリティを感じる。戻ってきたピアニストとは、力関係が逆転。おどおどし始めるコボーに彼女が上着を着せてやるところあたりで、ようやくからくりに気がついた。び、び、びっくり~~。

閉められていたレッスン場のカーテンを、ピアニストが再び開けるときには、次の犠牲者がまたレッスン場を訪れ、ベルを鳴らす。あっ、既視感。これは、コジョカルがレッスン場にやってきた冒頭と同じ繰り返しだったのだ。バレエで一幕ものの演劇作品を堪能。



「ドン・キホーテ」 ディヴェルティスマン
原振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス

アリーナ・コジョカル、ローレン・カスバートソン、ダリア・クリメントヴァ、ロベルタ・マルケス、
ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ワディム・ムンタギロフ、セルゲイ・ポルーニン
高村順子、西村真由美、乾 友子、高木 綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、岸本夏未

ダンサーの皆さんそれぞれの個性が輝いたドン・キホーテ。コジョカルの(何気な~く保持し続けられた)バランス、どんだけすごい!


カーテンコールでは、涙ぐむ姿もみせたコジョカル。バレエを愛する真摯な態度が素晴らしい。日本を訪れてくれたコジョカルと、その仲間たちに心から拍手を送った。


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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