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2011.11.29 (Tue)

サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  11月22日 19:00 サントリーホール その3

舞曲の緩急の変化をみせる第2楽章では、玩具箱をひっくり返したように混沌とし、さらには少々破壊的でさえあった"急"の部分や、木管楽器に軽く渡り歩く旋律がピッコロで遊ぶように締められる終結部が心に残る。

よい意味で鈍重とさえ思えた第3楽章では、それぞれのパートがまるで戦いの火花を散らしているよう。一気になだれ込む最後のクライマックスでは、オーケストラの音が勢いよく切られる。中でも、ティンパニー奏者の音を止める動作の勢いのよさが目に飛び込んできた。すごい。けれど、ほんとにすごいのはここからだった。

先程の終結の勢いのエネルギーが寸分おかずに、今度はヴァイオリンの回音の極端にまでたっぷりとした響きに転換される。続く弦楽五部の分厚さといったら!弦のうねりの緊張が極限にまで続く様子には凄みさえ感じる。第1楽章序奏に通ずるというシンコペーションのリズムに続く下降形も凄まじいほどの迫力。

そしてかすかに死に絶え行く最後。擦過音を微かに響かせたヴィオラの弓が弦の上をそっと離れる。奏者たちは音の消え果てた瞬間を永遠に閉じ込めでもするように、弓を構えたままの姿勢を静かに崩さない。静寂を乱さぬよう、先程まで指揮をしていたラトルの腕が時間をかけてゆっくりゆっくりと下ろされる。現実に立ち戻るように、第一ヴァイオリンがヴィオラよりも先に楽器を下ろす。そしてヴィオラも。さざ波のように静かに広がる拍手・・・ちょうどヴィオラを真向かいに見下ろす席だったため、自然と目に飛び込んできたこの一連の動きがこのうえなく美しく印象に刻まれた。


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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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