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2011.08.31 (Wed)

「マノン」 小林紀子バレエ・シアター 第100回祝賀記念公演 8月28日 15:00 新国立劇場オペラパレス その3

それにしても、マクミランの「マノン」のドラマティックな見せ場は見事というしかない。第2幕のパーティーの場では、まるでこの世の女王のように、男の中に咲く花のように、男の手から男の手へと泳ぐようにリフトされる、豪華な宝飾品とドレスで装ったマノン。カードゲームでの不正がばれた後のデ・グリューとG.M.の間のマノンの奪い合い。マノンの目の前で撃たれ倒れる兄レスコー。看守に陵辱されるマノン。デ・グリューが刺し殺した看守の死体を後に残し、逃げる二人。ルイジアナの沼地をさまようマノンとデ・グリュー・・・人間の欲望と愛が嵐のように渦巻き続け、欲求のままに突き進めば、いつしか底なし沼に落ちていくようにその渦の中に飲み込まれていくマノン。自分の心に不道徳にも素直に忠実であり続けたマノンの最期に、なんと美しいパ・ド・ドゥをマクミランは用意したことか。

テューズリーの、看守を刺した後にみせた激しいシェネの勢いにも、とうとうこの男もどうしようもなく道を踏み外してしまったなと思わされ、強く印象に残っている。

レスコーの奥村康祐さん、パーティーの場面では酔っぱらっては回って飛んで、おしまいには床に大の字に寝転がってしまう芝居が可笑しい。妹の美貌を飯の種にする狡猾さを明るく表現。役者。

富める者の尊大さが伝わってきたムッシュG.M.の後藤和雄さん。冨川祐樹さんの看守はひんやりとした冷酷さが怖い。マダムの大塚礼子さんの存在感も大きい。喜入依里さんの陽気で派手なレスコーの恋人。ベガーチーフ恵谷彰さん、笑顔で軽やかに弾んで回る。彼の率いるベガーたちや、パーティーの場での女たちの群舞などは、芝居心のある踊りで「マノン」の物語の世界観をしっかりと支えていた。


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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