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2011.08.19 (Fri)

「ジゼル」 ヴィシニョーワ & チュージン 東京バレエ団 8月17日 19:00 ゆうぽうとホール その2

ヴィシニョーワの身体を通しストレートに伝わって来たのは、村娘として、そしてウィリとしての“ジゼルの純愛”でした。アルブレヒトと出会いたちまち恋に落ちたのだけれども、過ごした幸せな時間はほんのひと時。ウィリとなったジゼルは、それでも最後までアルブレヒトへの思いを、悲しくも美しく昇華させていきます。若い村娘のジゼルの住む精神世界は、範囲の限られたごくごく狭いものであったのかもしれないけれども、その世界をアルブレヒトへの純愛で一杯に満たしたヴィシニョーワのジゼルでした。

アルブレヒトの肩にそっと寄り添う村娘ジゼルの笑顔からは、疑うことを知らないジゼルの純粋にアルブレヒトを思う心が感じ取られました。そして、このうえなく愛らしいジゼルの世界が広がる可憐なジゼルのヴァリエーション!なかなか止まない拍手に再び登場したヴィシニョーワは、観客の称賛にこたえてから、ジゼル母に甘えるように腕を差し伸ばした後、下手袖から手を伸ばして迎えるアルブレヒト・チュージンに駆けていきます。そんな様子にも、素晴らしいヴァリエーションの余韻を保つジゼルワールドを感じ、パ・ド・ユイットが始まってもしばらくは、ヴィシニョーワのジゼルに魂を抜かれたような思いが続いたくらいでした。

狂乱の場では、息を詰めてヴィシニョーワのジゼルに見入るばかり。アルブレヒトの表情を読み、一瞬にして全てを悟ったジゼルの精神は崩壊してしまいます。美しい花が開くような幸せに満ちていた彼女の世界に亀裂が入り、その裂け目からジゼルの意識は違う次元をさ迷い始めます。それはもう、誰にも止めることはできません。アルブレヒトにも、ヒラリオンにも。(続く)


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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