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2011.08.03 (Wed)

「ロミオとジュリエット」 アメリカン・バレエ・シアター ABT 2011 7月26日 18:30 東京文化会館 その2

そもそもジュリー・ケントのジュリエットのみならず、それぞれの登場人物たちの動きがドラマティックに展開するので、物語の運びや心の内がよくみえてきた「ロミオとジュリエット」だった。

背の高さも大中小、と面白い具合に並んでいる若者3人組は、ロミオのマルセロ・ゴメス、マキューシオのクレイグ・サルステイン、ベンヴォーリオのダニール・シムキン。息のあった3人の仲間の若さが眩しく、三人三様のそれぞれの個性を楽しむことができた。

真っ直ぐな心のみえるロミオのゴメス。サルステインのマキューシオは、ピルエット・ア・ラ・スゴンドで軸足を一瞬ジャンプしてみせ客席をわかせる。跳ねて回って側転して、と大活躍。シムキンのベンヴォーリオのちょこまかした動きも明るくて楽しい。

そんな若者たちが、マキューシオの死という悲劇に襲われてしまう。広場で若さ一杯に娼婦たちと明るくおどけて踊り回っていたのに、何故マキューシオは死なねばならなかったのか、と理不尽にも思えてくるくらい。

ゲンナジー・サヴェリエフのティボルトは、居丈高でプライドも高い。また、そんなところが凛々しくみえたりもするのだけれど。マキューシオとティボルトの戦いを不安げにみつめるロミオにベンヴォーリオ。物語が目の前でリアリティーを伴いどんどん進んでいく。ティボルトの剣はベンヴォーリオを偶然に刺してしまったようにもみえた。それには一瞬ハッとしたティボルトだけれど、すぐに勝ち誇ってみせるところに傲岸不遜な態度がみえる。

マキューシオの瀕死の中でのおふざけは、実にリアリティーを伴ったものであったし、ティボルトに我を忘れ飛びかかっていく、ゴメスのロミオの迫真の演技にも目を奪われた。ロミオの若さの激情がほとばしり、それは悲しくもジュリエットの運命を巻き込んでいってしまうのだ。

若者たちの心の動きを上回る速度である性急な行動が、彼らを悲劇へと駆り立てる。そこにも大きな悲しみを感じたABTの「ロミオとジュリエット」だった。


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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