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2011.07.25 (Mon)

「オープニング・ガラ」 アメリカン・バレエ・シアター ABT 2011 7月21日 18:30 東京文化会館 その2

「アレグロ・ブリランテ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:P.チャイコフスキー
パロマ・ヘレーラ、コリー・スターンズ

先日のルグリの公演のエレガントな余韻にまだふんわりと包まれていたからなのか、バランシンのこのアブストラクトな作品になかなか入り込んでいけない。混沌としてくぐもった音、そして踊り。そういえば、3年前の前回の来日公演の初日の一番最初の演目にも、気持ちがずっこけてしまったことを思い出してしまった。

「トロイカ」
振付:ベンジャミン・ミルピエ 音楽:J.S. バッハ
サッシャ・ラデツキー、ダニール・シムキン、 トーマス・フォスター

男性ダンサー3人の天駆けるように敏捷で軽快な戯れ。

シムキンは見事な身軽さ。オペラグラスで覗き込んだ彼の笑顔はとても魅力的。ずっと追っていたい素敵な表情。ラデツキーは、シムキンと比べればもちろん重量感のある体つきだけれども、敏捷な動きに説得力があって見応えがあった。

ラデツキーとフォスターの2人がシムキンの両手をそれぞれ取りスライディングさせたり、空中に放り投げてくるくる回転させたり、スピード感のある遊びが楽しい。最後に3人がそれぞれに跳ね上がって下手に飛び込んで行った姿が爽やかに目に残る。でも、だから何っ?て感はあったのだけれど・・・

「くるみ割り人形」のグラン・パ・ド・ドゥ
振付:ラトマンスキー 音楽:P.チャイコフスキー
ヴェロニカ・パールト、アレクサンドル・ハムーディ

な~んて華やかでかわいらしいグラン・パ・ド・ドゥ♪踊りが始まってからようやく、あっ、これはいつもの見慣れた「くるみ割り人形」ではなく、ラトマンスキーのだったって気がつく。リフトを多用したドラマティックな「くるみ割り人形」の世界が展開される。

ふくよかな色気に可愛らしさが同居したヴェロニカ・パールト。感極まる喜びを表す美しいパールトにうやうやしくひざまずくアレクサンドル・ハムーディ。二人を中心に甘い甘い世界が広がる。二人の正確な動きがその甘さを裏打ちしている。素敵だった♪アダージョだけだなんて、もっとみせて・・・。

「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ 音楽:チェーザレ・プーニ
シオマラ・レイエス、ホセ・カレーニョ

ホセ・カレーニョのしなやかで存在感のある張りある浅黒い身体の傍で、シオマラ・レイエスの伸びやかな細い白さが引き立つ。 男女の性差のそれぞれの魅力が美しく輝く。

しなやかでどこまでもエレガントな動きのホセ。ピルエットの止まり方が柔らかくて美しい。身体を反らせて飛ぶ形の見事なこと。シオマラは匂い立つような可愛らしさ、美しさを醸し出す。音楽を一杯一杯に使い、そのうちホセにもサポートされて一体何度ピルエットを回ったことだろう。音に合わせてぴたりと止めてみせるのも見もの。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン  音楽:ピョートル・チャイコフキー
イザベラ・ボイルストン&アンヘル・コレーラ

ボイルストンとコレーラの描き出す世界観がとても素敵。事あるごとに目を合わせて笑みをみせる明るい陽性の2人。少女マンガのコマに描かれる花が2人の後ろに飛び散っているような華やかさ。

吹き抜ける風のようなコレーラ、軸足を瞬間的に浮かせてみせるピルエット・ア・ラ・スゴンドにはこちらもテンション上がるし、飛び込むボイルストンを受け止めるのに、えっ、コレーラ、それじゃ前に進み過ぎ~っ、てくらいのはじけてはみ出した勢いがめちゃ楽しい。素敵♪ボイルストンは素早くかつ正確な動きが美しかった。

ジャパンアーツのブログ(7月23日23:09付け)によると、コレーラは体調不良のために24日「ドン・キホーテ」の公演を降板したとのこと。また、29日の「クロージング・ガラ」も同じく体調不良により降板。「オープニング・ガラ」終演後のサイン会では、笑顔のコレーラを間近でみたばかりだったので、ちょっとショックだった。早い回復をお祈りしています!

「椿姫」第3幕(黒)のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:F.ショパン
ジュリー・ケント、マルセロ・ゴメス

なんと言えばよいのか、言いようのない美しさ。ジュリー・ケントのマルグリッドの魂がみせる心の動きに、息を呑んで展開を見守る。心の中の苦しみがあまりにも美しく表現されることに、呆気に取られてしまうくらい。

マルグリッドのはかなく消えていきそうな魂が、マルセロ・ゴメスのアルマンを前にまるで最後の炎を点すように、哀れに、悲しく、病に侵された身体の持てる限りのありったけの愛を表現する。その愛を充分に受けるに値する存在感のあるゴメスのアルマン。演劇をみているように心の襞が伝わって来る。難しいリフトの連続が、テクニックを感じさずに、ごく自然に鋭く美しく表現されるからでもあるだろう。切なくて、どうしようもなく行き場の無いような二人の激しい愛と哀しみが伝わる。

「Thirteen Diversions」
振付:クリストファー・ウィールドン 音楽:ベンジャミン・ブリテン
ジリアン・マーフィー 、デイヴィッド・ホールバーグ、マリア・リチェット、ジャレット・マシューズ、ヒー・セオ、コリー・スターンズ、シモーン・メスマー、アレクサンドル・ハムーディー他

アブストラクト・バレエだけれど、ブリテンの曲想に合わせたドラマティックな展開が面白かった。技巧的なリフトもたっぷり楽しめる。最大で24人の男女のダンサーが舞台いっぱいに広がる迫力、そして照明にも目を引かれる。


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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