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2011.06.01 (Wed)

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 5月29日 15:00 東京文化会館 その3

「真夏の夜の夢」

都さんのタイターニアの表情が素敵なこと。大きな瞳がくるくると色を変えてゆく。ふわふわっと空気に乗るように軽やかに舞う、奔放で気儘な誇り高き妖精の女王。腕を素早く羽ばたかせるような上下の動きは、人間には見えない世界に住む妖精の存在を確かに感じさせる。気儘なタイターニアの奔放な自由さが伝わってくる。

タイターニアの変化に富んだ目の輝きは、妖精王オベロンの策略でロバに首ったけとなってしまった時に効力を発揮。ところが、あれだけうっとりとしていた目が、夢から覚めた時にどれだけの変化をみせたことか。どうやらロバに恋してしまっていたらしいことをおもむろに思い出し、はっとするタイターニア。それでもすぐに自分を取り戻し、矜持を保ちながら(知らないうちにとってしまっていた自分の愚かな行為には蓋をし)、ちょっと取り澄ませてみせる。また、オベロンも、タイターニアの触れられたくない部分には無理に触れることもない。なんだか夫婦の化かし合いみたいだけれど、都さんの魅力的な表情がそれをとてもおもしろくみせていた。人間に戻った元ロバ・ボトムにそっぽを向く様子も愛らしいこと。

都さんと同じく妖精の世界に住む匂いのするセザール・モラレスのしなやかな動きのオベロンとのパ・ド・ドゥでは、パ・ド・シャの脚先がまるでフワッと空を漂うような軽やかなリフトをみせる。妖精の森に君臨する、この世のものでない二人の姿がこのうえなく美しい。

人間たち4人、ハーミア、ライサンダー、ヘレナ、デミトリアスの愉快なドタバタもとても楽しめた。ヘレナのキャロル=アン・ミラーが細かく速い振付を音の中に綺麗にはめ、敏捷に次から次への動きに移っていくのが小気味よかった。

ボトムのロバート・パーカー、ロバの朴訥な動きが面白い。大きなロバの頭や身体をポワントの蹄で支えているのがまた愉快。

パックのアレクサンダー・キャンベルはかなり男性的で人間的だった。

森の妖精達は、それなりに身体も重そう。都さんのタイターニアの軽さがその中でなお一層光り輝く。


・・・大震災の直後にみた熊川哲也さんのパックを思い出した。滞空時間の長い、お茶目なパック。いたずらっぽい表情を満開に、舞台を軽々と縦横に駆け抜けるパック。また近々みることができたら・・・


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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