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2011.05.31 (Tue)

「ダフニスとクロエ」「真夏の夜の夢」 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 5月29日 15:00 東京文化会館 その2

「ダフニスとクロエ」

ラヴェルの音をまるで見える形で表現したデザイン的な振り付け。ラヴェルの音符が散っているような美しい動きが連続していました。基本はクラシック・バレエであるものの、どこかテイストの違う規範から外れた振付に視覚をハッと刺激させられます。時には緩やかで穏やか、時には力強く、けれどもどこまでも理性的に理知的に、ラヴェルの響きの色彩が、ダンサーの身体を通してきらめきます。

想像していた神話的な衣装とはまるで趣が違う、学生のダンスパーティーのような都会的な衣装に初めは戸惑いも覚えたけれど、カラフルなワンピースの衣装が記号的に美しく舞う様子にはじきに惹きこまれていきました。

角をはやした半獣神パン(トム・ロジャース)の登場は絵画のように美しかった。海賊の首領ブリュアクシスのアレクサンダー・キャンベルは鋭くキレのある動きで場面を盛り上げます。また、両手を縛られたまま美しく踊って見せたクロエのナターシャ・オートレッド危うしの場に、フラッシュの光とスモークの中から再び現れたパンが、クロエを助け肩に乗せゆったりと進む様子も美しい光景。

助け出され戻ってきたクロエ。ダフニス(ジェイミー・ボンド)の肩にすがったクロエがそのままくるくると回され、段々速度を増して浮き上がる、愛の踊りはそんな喜びから始まります。ダフニスの笛(フルート)の澄んだ音に、静止の美しさをみせながら踊るクロエ。そしてキラキラ光る音階に喜びをはじけさせるダフニスとクロエのパ・ド・ドゥ、これがまたとても美しい。

爽やかで現代的な神話の世界。大作ではないけれども、ラヴェルの響きとアシュトンの振付が融合し、センスよく美しい次元を漂う、どこか現実味を伴わない浮世離れした美しい作品。ダフニスにクロエ、彼らの物語は、神話の中のページにそっとしまい込まれたまま、そこに密かに息づいているのだろうな、と思える味わい深さを感じました。「ダフニスとクロエ」のデザイン的な群舞は、揃ってこそ記号的な輝きを増します。これは、東京バレエ団が踊ると美しいだろうな、とも思いながら・・・


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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