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2011.04.16 (Sat)

「ばらの騎士」 新国立劇場 4月13日 その3

オックスの野卑な傲慢ぶりにもさらに磨きがかかる第2幕。オーケストラの演奏も乗ってきて、したい放題、やりたい放題のオックス男爵のハヴラタの後押しをする。ゾフィーのつねり甲斐のありそうな柔らかい頬にちょっかいを出し、当たり前のように嫌がられるオックスはもろセクハラ親父。けれど、ゾフィーに嫌われようがどう思われようが、そんなこと、厚顔オックスには針の先ほどの意味も持たない。

一方、銀のバラの使者として訪れたファーニナル家で、ゾフィーに一目で恋に落ちたオクタヴィアン。まるで何かに打たれたような表情で美しいゾフィーを一途にみつめるオクタヴィアンの若さは、清々しい輝きを放つ。

オックス35歳 VS オクタヴィアン17歳、どちらがゾフィー(オクタヴィアン同様ティーンエイジャー)を得ることができるのか。勝敗は火をみるよりも明らかなのだけれども、オックスはそんなことはまるで意に介さない。それどころか、ゾフィーの自分への嫌悪感でさえ、都合のよいように解釈してしまう、全く調子のよい親父なのである。

こんなオックスとオクタヴィアンが相入れるはずがない。そしてそして、オクタヴィアンの剣に傷つき大げさに痛みに大騒ぎするオックスが、第2幕終盤に向けて一体どれだけ楽しませてくれたことか。傲岸不遜なるオックス、あおる酒に次第に機嫌を直し、生き生きとした表情をみせる。オーケストラピットの中を覗きこんで両腕を大きく使い、思い切りワルツの演奏をうながすハヴラタのオックスは、もう楽しそうで楽しそうで。こんな男、きっと実際にいるよな。幸せな奴だな。近くにいられると、きっと迷惑にちがいないけれども、憎めないよな~、という愉快さに、みているこちらまで、思わず音楽に合わせて踊りだしたくなってくる。幕切れ、低い低い最後の一音を思い切り長くのばしきるまで、オックスワールドがたっぷりと広がる。(続く)


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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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