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2010.11.16 (Tue)

「アリア」「火の鳥」「3人のソナタ」モーリス・ベジャール・バレエ団 11月14日 14:00 東京文化会館 その3

「メフィスト・ワルツ」

まず流れてきた曲はリストの「愛の夢」。

運ばれてきた寝台を覆う白布の下には美女(キャサリーン・ティエルヘルム)の亡骸。そして、その遺体に口づけし、頬ずりしてみせる男(ダヴィッド・クピンスキー)。こうくると、その先がどう展開するかは、読めもしよう・・・

横たわる女の左腕を上げる男。自然に落下する女の腕に男は自分の腕をからめ、女の身体を起き上がらせる。その動きがごく滑らかに自然に続く。魔術を使ったかのように、魂の無いものをいつしか立ち上がらせ、立ち上がらされていく動きが無理なく連続し、美しさを感じる。

甘い「愛の夢」はいつしか消え「メフィストワルツ」が響き出す。男は女を操る。命を持たない女は時折動きを止めるけれども(直立したまま上半身の力を失い、だらりと下に垂らす)、時の動きまで止めることはなく、再び聴こえてくる「愛の夢」は、二人の過去の愛を物語るようでもある。女を操る男に、甦らされた女。管弦楽の「メフィストワルツ」にあわせ繰り返されるリフトは官能的であったものが、二人の歪な関係性を表すような奇妙なものへと変化してゆく。

男の手から離れるとばかりにみえた女は、再び寝台に乗せられ再生されようとするけれども、いつしかその力関係は逆となっていく。今度は男が寝台に横たえられ、肩を動かしながら暗い笑いをみせる女は寝台を運んで消える。

力関係の逆転の表現も理解しやすく、女の表情が移り変わっていくのがおもしろかった。

「アリア」

ダンサーの身体能力をたっぷりと味わえた。乱れる群舞は規則的でいるようで、そこからそれぞれがはみ出したイレギュラーな動きを幾重にも重ねていく。その様子はエネルギーに溢れていて、生き生きとした躍動感が伝わって来る。

といって、それが何を意味しているのかはさっぱりわからず。統率の取れた、それでいて、てんでばらばらな様子には、ダンサーの力が発揮されていて、すごいな、と思うのだけれど、自分にはなんだかわけがわからないままに終わってしまった、というのが正直な気持ち。

エリザベット・ロスが、あの存在感で身体を可愛らしくくねらせながら踊るのはみもの。ダリア・イワノワも長身を自在に動かせる。カテリーナ・シャルキナはどこか人工的な美しさもみえる完璧な踊り。美しく膨らみ揃えられた前髪に、深紅の唇がよく似合う。

ジュリアン・ファブローとフリオ・アロザレーナがまるで首を絞め合うように倒れ、若者たちは二人の回りに集結して身体を震わせる。3人のアリアドネ達はブランコに揺られたまま上手に姿を消す。一体この最後の意味するものは???


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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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