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2010.11.03 (Wed)

ニコラウス・アーノンクール指揮 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス 11月2日 19:00 東京オペラシティ


アーノンクール


ちょっと前に、モーツァルトで熱くなるなんて自分にはあり得ない、て書いたの撤回。 モーツァルトでも熱くなれるんだ~、この生き生きとした音は一体何???

古楽器演奏のことなんて、ぜ~んぜん興味も無かったし、元々はそんなに乗り気でも無かったこの日のコンサート。家人のお付き合いに出かけたところ、今まで経験したことの無い、モーツァルトの音をぎゅっと凝縮した演奏に触れて、正直驚いた。

指揮者の統率のもと、集中力を保った奏者の楽器から発せられる音は、楽譜に書かれている音符の一音一音を忠実に再現し、一糸乱れず旋律に活気のある抑揚をつけていく。迷いをみせたり揺らいだりすることが全くない。高いテンションを強い理性でコントロールしている。

それぞれの楽器から生み出される音は、弦楽器・管楽器・打楽器と、形状も違えば当然、こする、はじく、吹く、打つ、と演奏の方法も異なっている。それなのに、どうしてここまで一致して音の入りを合わせ、旋律、そしてハーモニーとして収斂してゆくことができるのだろう。

凝縮された音のエッセンスには、研ぎ澄まされた厳しさが存在している。しかも、表裏一体に垣間見えるゆとりある余裕が、そこに温かみさえ醸し出している。実に人間的。甘露の如き響きを一音たりとも聴きもらしたくないと思えてくる。そして、刻まれるリズムの拍動が見事に躍動的。知らず知らずのうちに、音に呼応するように自分の身体が動きだしてしまいそうになるのを抑えなければならないくらい。

アーノンクールを聴くのは2006年の来日時以来2度目であるのだけれど、今回初めてその素晴らしさに気がついた思い。これが最後の来日だったなんて・・・80歳をこえるお年なのだからやむを得ないのはわかるけれど・・・

演奏を終え、笑みを浮かべながらゆったりと悠然と袖へと歩むアーノンクール。その風貌そのものの音楽だったな、と感じ入った。

アンコールは、アーノンクール自ら"Deutsche Tanz,Mozart(と聞こえたのだけれど、Deutscher Tanzだったのかしら)"と曲名を告げる。これが信じられないくらいおもしろい曲。

ヴァイオリンソロがひょろひょろと短調の半音階を上がり、そして下がって来る。賑やかにどんちゃんと打楽器のリズムが乱入。た、楽しい。大きいシンバルにちっちゃなシンバル。小さい方、てまるでおもちゃのお猿さんが叩くのみたいじゃない!耳からも目からも愉快この上ない。

そして、そのまま騒がしく終わるのかと思ったらそうじゃなかった。終結のおまけ音が軽~く楽器を渡り歩く。最後にコントラバスが粋に弾かれておしまいっ。きゃっ、楽しい!

猥雑な(けれど洗練されている)ジンタっぽい華やかな曲で演奏会が締めくくられるなんて想像もしていなかったので、もう最高~って感じ。

終演後のサイン会では、プログラムに丁寧にサインをしてもらえたうえに、ギョロッとした大きな灰色がかった青い瞳でこちらをニコッと見上げてくれた。優しくて強い眼差しに一瞬射すくめられた思い。感激。



モーツァルト:セレナード第9番 ニ長調 K.320 「ポストホルン」

モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」

《アンコール》 
モーツァルト:6つのドイツ舞曲 K.571よりNo.6 ニ長調




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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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