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2010.10.17 (Sun)

「フィガロの結婚」 新国立劇場 10月13日 14:00 その2

ケルビーノに抱きつかれる伯爵夫人、ミルト・パパタナシュ。欧州のマダムが束の間の夏、ヴァカンスで太陽の光に惜しげもなく身をさらしたごとくの色の肌・・・とまでは言い過ぎにしても、ケルビーノのミヒャエラ・ゼーリンガーの色の白さと思わず比較したくなるところに、伯爵夫人の成熟した女性の魅力が香り立つ。パニエで大きく横に張りだされたドレスは胸元のカッティングも美しく、巻き毛の豊かな鬘も、パパタナシュの彫深く見目好い顔立ちを引き立てる。

スザンナのエレナ・ゴルシュノヴァ。毛束を少しずつとり、頭頂部で結わえたヘアスタイルがとてもかわいい。ブラック&グレイの太いストライプのたっぷりとしたスカートは、両脇の裾をウエスト辺りまでたくし上げたスタイル。そこから覗く白のペティコートもキュート。タンクトップ型の上半身から覗く胸には手紙でもなんでも挟みこんじゃう。かあいい。黒のブーツのカッティングも素敵。

第4幕での変装したスザンナ、伯爵夫人の白のドレスをぶったぎって膝上が見えるくらいまで短くしたような衣装。形のよい美しい脚を、時には踏ん張るように広げて歌う姿がまたかわいい。時にはドロワーズまでちらりと覗く。終幕は登場人物みな白の衣裳に素足の中、スザンナはヒールのパンプス。

フィガロのアレクサンダー・ヴィノグラードフ、ちょっとよい男ではないか。遠くから双眼鏡の中に彼を初めに認めた時、あっ、マチュー・ガニオ、と思ったくらい。甘い風貌。かつ朗々と響く男らしい声の持ち主。「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」深い声のはずむような切れの良さが心地よい。

アルマヴィーヴァ伯爵、ロレンツォ・レガッツォ、まさに伯爵。未熟な若さのみえるケルビーノよりも、年の功で数千歩先を進んだ大人の男(おじさん?)の欲望をみせる。

とまぁこんな具合のキャラクター達。彼らが、舞台の上を箱庭的に四角く切り取ったような区切られた空間の中で、まるで人形芝居の人形のように織り成すドタバタ人間模様。姿を隠す場所として、舞台の上には四角い箱が転がり、大きな洋箪笥が据えられている。そのシンプルなセットは、ヴィジュアル的にとっても水準の高い歌手達の演技を大いに引き立てる。指揮者までいい男。ミヒャエル・ギュットラー。カーテンコールで指揮者の隣に並んだバスの伯爵、かなりの身長だと思っていたのだけれど、ギュットラーったら、それを上回る背の高さ。そして、まだ若い笑顔が初々しい。

なんだか、視覚的なことばかり記しているようなここまでだけど、というのも、自分的に、モーツァルトの音楽に熱くなるなんてことはあり得ないからかな。でも楽しかった。凡人には、一体どういう構造になっているのだろう、などと理解しがたい幾人もの歌手の重唱など、心からすごいっと思う。


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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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