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2010.09.16 (Thu)

「マノン」 英国ロイヤル・オペラ 9月11日 15:00 東京文化会館 その3

修道院に向かう道中のグレイの地味な服装のまま、"À Paris!"とパリへの憧れの吐息をもらすネトレプコのマノンに、甘い誘惑の罠にからめ取られてゆくポレンザーニのデ・グリュー。

パリのアパルトマンでは、白いシャツ1枚の姿の裾から覗く素足をデ・グリューの肩に乗せてみせるマノン。若さと素直さに溢れる歌声を聴かせるデ・グリューにからむマノンの女豹のような声。デ・グリューが森の奥の小さな白い隠れ家を繊細に夢見ようとも、既にマノンは自分の心を彼とは違う次元に飛ばしてしまっている。

パリのクール・ラ・レーヌで、羽根飾りの贅沢なドレスをゴージャスに着こなすネトレプコ・マノンは、"Je suis reine!"「私は女王!」と両手を天に突き上げ歌いあげる。その輝く若さゆえに許される、自信に満ちた驕慢な美しさ。彼女を取り巻く紳士たちの一人に自分の身を投げのけ反らせたまま、観客におもむろに投げキッスしてみせるネトレプコの艶やかな姿といったら!!デ・グリューの比じゃない、私まで魂抜かれた~。な、な、なんて魅力的なマノン。豊かな生活に自由に振る舞うこのマノンの勢いなら、かつて彼女が裏切った愛さえ再び取り戻すに違いない、と確信させられてしまう。

マノンの面影を忘れようと、激しい苦しみを心の内から流れ出させるポレンザーニのデ・グリューは、今やサン・シュルピス修道院の神父。シンプルな美しさをみせる白のドレスで姿を現したマノンへの拒絶から、遂には"Je t'aime"「愛している」と激しく彼女を抱擁するに至るまでの振幅がまた見事。そりゃぁ、そうだ。マノンの誘惑は半端じゃない。「この手は私の手ではないの?」と蠱惑的に迫られ、身を寄せられ、美しい姿態からは、自分を求める手がのびやかに伸びてくる。ここでもしこらえちゃったら・・・・・た、た、たぶん、男としては駄目??? (続く)


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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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